<狩猟の現状>
■ 獣害をもたらす野生鳥獣ってどこにいる?
野生鳥獣がいる所は人が住む地域からかなり離れた山奥にいるというイメージがあるかと思いますが、実は民家に近い使用していない畑や、近所の川などにも生息しています。狩猟も民家から数キロのところで行われていたりします。それは、人間と野生鳥獣の距離が昔に比べて近くなっているからです。
その理由は幾つかあります。
・まずは里山の減少。
昭和30年代頃までは沢山の人が山や林の中に入り、木材を切り出したり、畑を作ったり様々な仕事を山でしていました。そうした人の手によって山の秩序が保たれてきました。それが今では木材などは輸入に代わり、山の中にわざわざ人が入ることが無くなっていきます。また、山間に作られていた田畑も高齢化や後継ぎの問題で放置され荒れ放題となっています。何かと言うと、この里山が人と獣の境界線を作ってくれていたのですが、今ではそれが薄れつつあるのです。
・住宅地の開発
山の中に家を作れば当然獣と隣り合わせになります。また、今まで住んでいた野生鳥獣たちは隣接地の山林に移りますが、そこでの鳥獣生息密度が上がり仕方なく住宅地ギリギリのところまで住みかを作っている状態になります。
・温暖化の影響
雪の苦手な猪にとって雪の減少が生息範囲拡大のチャンスになっています。
猪は冬眠をしないので冬でも歩き回り、特に最近では東北での猪の生息範囲が拡大しているようです。
生息範囲が広がれば 野生獣の数も増えていきますが、数よりも人の生活に近くなっていることを解決することが今後の大きな課題となっています。
ミートラッパーではジビエとして人間が食べることが一つ問題解決のいとぐちになるのではないか、そう考えています。